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第8章:コピーライティング講座のまとめ──ことばから世界を塗り替える

ここまで読み進めてくださったあなたなら、

「たった数文字のコピーや短い文章で、
誰かの世界を変えられる」

もうこれは不可能じゃないと気づいているはずです。

日常の会話やSNS投稿、メールのやりとり、どこにでも“ことば”はあって、私たちはそこを無自覚に通り過ぎていることが多い。

でも、ちょっと意識して書くだけで、大きく伝わり方が変わったり、相手の心に火を灯したりするのです。

そして、これまでの章でお伝えしてきた「コピーライティング」のあり方。

それは決して“広告の技術”にとどまらず、もっと広く「自分が何を感じて、どう伝えたいか」を凝縮する術でもありました。

最終章では、ここまでの流れを振り返りながら、新しい一歩の踏み出し方を探ってみたいと思います。

「じゃあ、これから何をすればいいの?」とちょっと戸惑いながらでも、心の片隅が“書いてみるのも面白そうだぞ”と弾んでくれたらうれしいです。

セールスライティング講座とのシナジー

セールスライティング講座も用意しているので、どう活かしていけば良いか分からない、という方もいるかと思います。

セールスライティングの印象として、「売り込み」を感じるのはとても正常です。

実際、セールスライティングという概念は、売り上げに直結する要素が強く求められる世界だとも言えます。

でもだからこそ逆に、コピーライティングにおいて、その“売る”機能を超えたところに面白みがある、と気づいていただけたのではないでしょうか。

たとえば、ただ商品のメリットを並べるだけではなく、読者の心をほんの少し動かす物語を盛り込んだり、表現の切り口を変えることで「なんだか欲しくなってきた…」と自然に思わせる。

そこには「売る」「説得する」を超えた、“魅せる”や“遊ばせる”という概念が広がっているわけです。

“売る”だけじゃない“魅せる”ことば──心を動かす世界観作り

売れる文章を書きたいという気持ちはとても大事です。

でも、セールスライティングだけをまっすぐ突き詰めると、数字やメリットをズラッと並べたり、値段の比較ばかりに時間をかけてしまうかもしれない。

もちろんマーケティング的には正解だと思います。やはり数字を突き詰めたり、競合と比較するのはどうしても避けて通れません。

ですが、それだけで本当に読者の心をつかめるのかな、と疑問が湧くはずです。

もしかしたら「これはお得だけど、いまいちピンとこない」「数字に納得はしたけど、そこまで買う気にはなれない」という結果になるケースは往々にしてあります。

この講座で扱ってきたコピーライティングは、“数字を見せて説得する”だけでなく“読んだときに魅了される”力を重視してきました。

そもそも、人が「これ欲しい!」と心から思うとき、その裏には“ちょっと感動した”とか“なんだか好きかも”みたいな感覚があるんですよね。

だから、あなたが書く文章が“人の気持ちを引き寄せる”要素を持てば、売上以上に“ファン”を生んでくれるかもしれない。

これは“売る”から“魅了”へと考え方を移すだけで狙えることなのです。

また、コピーを通じてあなたの価値観に共鳴してくれた相手なら、騙すようなセールスレターを書かなくたって「あなたが勧めるなら良いものなんだよね」と思ってもらえます。

そして、人は「感情で購入を極めて、論理でそれを正当化する」と言われています。

だからこそ、コピーライティングもセールスライティングも、同じくらいに重要な概念だと思っているし、思っていただきたいです。

今すぐ行動!タスク

  • セールスライティング視点で書いた文章と、“魅せる”を意識して書いた文章を2種類用意して比較してみましょう(同じ商品・サービスの説明でもOK)。
  • “数字やメリット”中心の文と、“感情や物語”中心の文、それぞれ読者がどう感じるか周囲に意見を聞いてみると、“売る”ד魅せる”のバランスを実感できるはずです。

顧客心理の理解を拡張──コピーで育む長期的な“ファン化”

第3章あたりで、「人の心理をどう誘導するか」とか「共感や解放を提示する」みたいな話をしましたが、これは決して“テクニック”だけの話じゃありません。

読者が何を抱えて、どんな未来を望んでいるかを想像し、そこにそっと手を差し伸べるのがコピーライティング的なアプローチ。

セールスライティングでは「商品購入」という行動に注目しがちですが、コピーライティングはもっと深い“読者の感情”に寄り添う。

そうすると、たとえ商品をすぐ買わなくても“この世界観、好きだな”とファンになってくれるかもしれません。

これは長期的な視野で見れば、大きな資産になるはず。

セールスをすることは救いになると思いますが、セールスせずに救える悩みもきっとあるはずなのです。

今すぐ行動!タスク

  • 自分の読者や顧客が「どんな想いを抱いているか」を改めて書き出し、それを受け止めることば(コピー)を数行で考えてみる
  • “行動させる”よりも“共感する”を重視して書くと、違うアプローチが見えてくるかもしれません。

両者を掛け合わせ最強ブランドへ──“売上増”ד愛され度UP”

最終的には、“セールスライティング”と“コピーライティング”をうまく混在させたスタイルが最強です。これは断言できます。

必要な場面ではメリット・数字・価格をしっかり提示しつつ、同時に読者の感性や想いに響く表現を盛り込む。

こうすることで、どちらか一方に偏って「論理だけ」「感情だけ」にならず、バランスのいい魅力を放つことができる。そして、大きな売上をあげている企業や人で、どちらかだけを突き詰めているケースはほぼないのです。ハイブリッドなのです。

読者が“論理的にも納得、感覚的にも好き”と思ってくれれば、“売上”と“ブランド愛”が両立するわけですよね。

今すぐ行動!タスク

  • あなたのブランドや商品の紹介文に、数字面と世界観面の両方を入れた“ハイブリッド版”を書いてみてください(例:具体的メリット+独自のストーリー)。
  • それが“納得できるし、好き”と思われるたら、現状での最高のバランスだと言えます。

ここから先の展望

この講座を読んで「理論は分かったけど、実際どう動けばいいの?」と戸惑う方も多いと思います。

何度も読んでタスクを繰り返していけば、桁違いのコピー/ことばの能力を会得できるはずですが、普段の生活や仕事、作業の中からも能力の開花は狙えます。

そこで最後に、いくつか「これをやっておくと圧倒的に伸びるよ」という方法を提示しますね。

“コピーのストック”を増やす習慣──日々の気づきを素材にする

ちょっとしたフレーズや印象的なことばを日常からメモする癖をつけると、いざ文章を書こうとするときにネタが豊富になります。

SNSの投稿でも、ふとした瞬間に「この表現なら使えるかも」と思えたら即メモ。

小さな積み重ねが大きな武器になるんですね。

誰でもできることですが、やり続けている人はほとんどいません。だからこそ差がつきます。

みんながやらなくなるのは、「やった先に何があるのか」がきちんと分かっていないからです。でも、ここまで読んでくれたあなたなら分かりますよね?

今すぐ行動!タスク

  • 今日から“いいな”と思ったフレーズ(自分のものでも他人のものでも)を1日最低1個は記録する習慣を始めてみてください。
  • 1週間続けるだけでもメモが溜まり、次に書くときに「そういえばこんなのあった」と使い回せる可能性大です。

トーク・プレゼン・動画にも応用──ことばの力があらゆる場面を制す

コピーライティングといっても、文章だけに囚われる必要はありません。

プレゼンの冒頭で“キャッチコピー”の発想を使うとか、動画の冒頭で“一行テロップ”を光らせるとか、応用の場面は無限大。

つまり、書く力を身につければ、しゃべるときにも応用できる。

これはあなたのコミュニケーション全般を豊かにするはず。

  • 好きな相手にあなたの方を見てもらうために使えることばはありませんか?
  • 子供に言うことを聞いてもらうために、使える表現はありませんか?
  • 交渉をするときに、相手が喜んで応じてくれる表現はありませんか?

全部コピーライティングの能力が使えるし、磨ける場所です。

今すぐ行動!タスク

  • 文章を書かない領域で、「伝え方を変えられる」部分を探してみてください。(育児、上司とのやり取り、顧客とのやり取りetc)
  • それを声に出してみて、相手の反応を探ってみてください。

“ことばの研究者”として発信──誰にも真似できないポジション

もし「書くのが苦手」と思っているなら、いっそ実験的に研究する姿勢でSNSなどで発信してみるのも面白いです。

毎日「こんなコピーを作ってみた」「こんな表現を発見した」と共有していると、徐々にフォロワーも「この人のことば遊び、面白いな」と興味を持ってくれたりします。

コピーを作ったり、表現を作ったりして、それをまとめて有料noteにしても良いと思います。

少なくとも私は興味があるし、きっと買います。(オファーしてね)
ということは似たような人もたくさんいるわけです。

↑「なぜお前はそのコンセプトでやらないのか」と言われたら、事業が忙しくてできないからです。興味はありますが、できないのです。誰かやってください。

私のことはおいておいて、完璧を目指さなくても、研究過程をオープンにしていると、むしろ応援してくれる人が増えます。そしてちゃんと需要もあります。

今すぐ行動!タスク

  • SNSアカウントやブログを使い、“ことばの研究”をテーマに短いフレーズや学びを日々発信してみましょう。(すでに今のブランディングがある方は、新しいアカウントを開設してくださいね)
  • 匿名なので恥ずかしくないと思いますが、恥ずかしさを乗り越えて発信していると、圧倒的にコピー/ことばの能力は突き抜けます。

仕上げの行動指針

ここまでノウハウや視点を詰めこんできましたが、最後に3つの行動指針を挙げて終わりにしたいと思います。

何をすればいいか迷ったときに、どれか一つでも思い出して実践してみてください。

まずは1行で魅せる“マイクロコピー”──SNSで即試せる最初のステップ

短いフレーズで読者の目を止める技術は、まさにコピーライティングの王道かもしれません。そして、ありがたいことに現代ではすぐに実験できます。

SNSやWebのボタン、広告バナーに使う“マイクロコピー”を意識すると、瞬発力を磨けます。

たとえば「次へ進む」ボタンを「新しい自分へ」のように変えるだけでも、ワクワク度が違いますよね?

今すぐ行動!タスク

  • 自分のWebサイトやSNSで使う“マイクロコピー”を1か所、見直してみましょう(ボタン、見出し、タイトルなど)。
  • 普段は無難なことばを置いてる場所をあえて大胆に変えて、どんな反応かチェックしてみると面白いです。

小説・歌詞・広告から“音とイメージ”を盗む──インプットの切り口を増やす

コピーの勉強と称して広告ばかり見てもいいですが、そこから離れて小説や詩、歌詞に触れると意外な発見がいっぱいあります。

論理じゃなくて“響き”や“映像の力”を優先している世界だからこそ、独特のことば選びをしていたりします。

それを少しだけ自分のコピーに持ち込むと、広告らしくない広告やXらしくないポストが生まれたりするので、気分転換もかねて別の切り口からインプットしてみてください。

今すぐ行動!タスク

  • あなたが好きな小説や歌詞から好きな一節を選び、その独特なことば遣いを広告コピー風にアレンジするとどうなるか試してみてください。
  • 論理よりも“イメージや音の楽しさ”を優先して書くと、新しい表現が開けます。論理はガン無視でOKです。

アウトプット→フィードバック→再構築──永遠に進化し続けるあなたのコピー

書く→見せる→直す、というサイクルは地味ですが、確実に実力を底上げします。

推敲して一度完成と思っていた文章も、実は直せる余地が残っている可能性は高いです。

そしてフィードバックをくれた人へのお礼に、新しいバージョンを見せてさらに意見をもらえたり。

そういう連鎖で“永遠に進化する”のがコピーライティングの奥深さであり面白さですね。

今すぐ行動!タスク

  • 書き上がった文章を1人に見せてフィードバックを受け取る→そこから3か所だけ直す→もう一度公開する、というミニサイクルを回してみましょう。
  • 小さな回数でも、アウトプット→反応→再構築のサイクルを体感すると、推敲が楽しくなるはずです。

第8章のまとめ

これでこの講座は終わりです。

何か一つでも、「あ、こういう書き方もありなんだ」と思える項目があったらうれしいです。

コピーライティングと聞くと、どうしても専門的に見えたり、“広告”という枠に縛られてしまったりしがちです。

でも実際は、もっと自由で、もっと生活にとけこむ技術なんですよ。

そして、あなたの“ことば”は今日も人と人をつないでいます。

好きな人にメッセージを送るとき、SNSでちょっと言い回しを変えてみるとき、仕事のメールで相手に好印象を残したいとき。

そこにコピーライティングの考え方をちょっとだけ混ぜると、わずかに空気が変わる。

それは大げさなことじゃなくて、あなたが「何を伝えたいのか」を真剣にとらえ直すということが起きているからです。

「もともと文章が苦手だから…」「別に作家じゃないし…」と思う人がいるかもしれない、いや、もういないかもしれませんが。

でも実は苦手意識がある人ほど、この技術を使うと爆発的に成果が変わってくる可能性があります。

なぜなら、苦手だからこそ“丁寧に工夫する”から。苦手だけど向き合わなきゃいけないことは、真剣に取り組むしかないでしょ?

上手な人ほど意外と雑に書いていて、推敲を怠っているというのはあるあるです。うさぎとかめ状態です。

でも、あなたは違う。
読者のために悩むやさしさを持っている。

ちょっと「この言い回しは大丈夫かな?」と悩むだけで、一段階上のコピーを生み出す芽を持っている。

最後にお伝えさせてください。

書くことは怖いし、恥ずかしいこともある。

でもそれが終わったとき、紙や画面に刻まれたことばが、遠く離れた誰かの胸にまで届いて、「いいね」ってうなずいてくれる瞬間がある。

それが最高のごほうびじゃないかと思うんです。

セールスの場面だとしても、ただ売るだけじゃもったいない。

コピーライティングで、読者やお客さんが、「うれしい」とか「これいいな」とか思う気持ちを引き出すこともできる。

あなたが選んだことばが、誰かをちょっとだけ幸せにするかもしれないんですよね。

ここまで、お疲れさまでした。

本当に読んでいただけて感謝しています。あとは、どう実践するか。

いろんな工夫を試してみてください。本講座も随時更新するので、たまに帰ってきてくださいね。

この講座で得た感覚や技が、ふとしたときに「あ、今ならこれが使えそう」と頭をよぎる瞬間がきっときます。

そのときに、「よし、やってみよう」と書いてみる。

その歩みこそが、あなたのコピーライティングの“ほんとうのスタート”なのかもしれません。

言ってしまえば、ことばで世界を塗り替える旅は、まだまだ続きます。一生続きます。

ここが始まりです。

ぜひ“あなたなりのことば”を作ってみてください。

書いているうちに、「こんな表現あったんだ、おもろ」「読んだ人がこう反応するんだ、おもろ」という新鮮な面白さが次々に見つかる。

そしてそれを糧に、あなたの文章はどんどん彩りを増していくのです。

ありがとうございました。これからもよろしくお願いしますね。

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